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労働集約的清掃業に導入が進むIoTソリューション

家庭向けに“お掃除ロボット”が普及してきているように、業務用清掃ロボットの開発も進んでいる。清掃業界でも高齢化による人手不足を背景に、ロボットへの期待は大きい。

米国のロボットベンチャー企業、Brain Corpが開発した清掃ロボットは、カメラと人工知能によって、店内の歩行者や障害物を感知してぶつからないように床の清掃をすることができる。運転席はあるが、クラウドベースの「BrainOS」というオペレーションシステムにより、複雑な自動操縦をすることも可能だ。清掃を担当する各施設の間取りや巡回ルートは、クラウド側のサーバーで管理をすることで、遠隔からのリモート操作による無人清掃も実現できる。Brain Corp
  http://www.braincorp.com/

■Brainロボットの紹介映像
  https://youtu.be/BHuJkJt4ZSk

ただし、このような清掃ロボットは、初期の導入コストとメンテナンス費用の高さがネックになる。これまでの清掃業界で主力となっていたパート・アルバイトの人件費と比較して、ロボットを導入した時の費用対効果が高く、人間よりもハイレベルな清掃作業ができるようになるまでには、もう少し時間がかかる。

そのため、早期の普及が見込めるITソリューションとしては、清掃現場を科学的にデータ分析するビジネスのほうが軌道に乗せやすい。どのようなデータを活用するのかは、技術やアイデアによって色々な切り口が考えられる。

たとえば、2005年創業の米Navizon(ナビゾン)という会社が開発した位置情報技術は、清掃業界での活用が期待されている。これは、オフィスビルやショッピングセンターなど屋内施設を訪れた人が所持する、スマートフォンの Wi-Fi機能を利用して、指定したポイントを何人が通過するのかをトラッキングできるものである。

同社が開発した専用のデバイス(Nodes:ノード)を各ポイントに設置することで、Wi-Fi機能がアクティブなモバイル端末を検出できるようなっている。さらにWi-Fiシグナルの強度によって端末の位置を推定する。

収集できるのは、モバイル端末の MACアドレス(個体の識別番号)のみであり、端末ユーザーの個人情報までは特定されないが、最近はほとんどの人がスマートフォンを持ち歩き、しかもWi-Fi機能はアクティブ(オン)にしていることから、公共施設の来場者数をカウントしたり、ショピングセンターの販売コーナー別に集まる人の数を収集して、マーケティングに役立てることも可能だ。

清掃業者は、このノードを施設内の各地点に設置することで、人の往来が多いポイント(=汚れやすい場所)をリアルタイムでモニタリングすることができる。 人の往来が多い場所は念入りに掃除をして、往来が少ない場所は簡易に済ませれば、同じ人員でも効率的な清掃作業をすることができる。

■Navizonの屋内位置情報部門(Accuware)
  https://www.accuware.com/
■展示会イベント会場の往来をモニタリングした様子
  https://youtu.be/WY_s6-WNZFU



Navizon社のビジネスは、通行者のスマートフォンを感知するノードを1台あたり数十ドルの料金でレンタルすることと、クラウドベースのデータ分析システムを提供する収益モデルを構築している。

施設内に設置するノードは、最小のスペースでも5台が必要で、15~20メートルの間隔で1台ずつ増設していく。面積が広い施設では、貸し出すノードの台数も多くなるため、導入する施設が増えるほど月額レンタル料が積み上がっていく仕組である。
(JNEWSより引用)

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